M1

夏を彩る代名詞といえば、海や花火、お祭りなど、人それぞれ様々なことを思い巡らすだろうけど、最近の僕の中でも夏といえばM1グランプリが思い浮かぶ。去年初めて地元のダチ公と組んで出て、今日が2回目の出場となった。ネタはダチ公がかき、それを僕が校正するというスタイルをとってるのだが、いかんせんダチ公の書くネタがイカれている。これ誰に笑ってほしいの?って聞いたら即答でおにぎり太郎さえ笑ってくれたらそれで嬉しいという歪んだ愛でかかれた漫才のため、内容はお察しの通りである。

 今日はその一回戦があった。ダチ公は10時集合なのに当たり前のように30分前に僕の家にきて、ずっと家の中を歩き回っており、見てわかる情緒不安定モードになっていた。前回みたいに頭真っ白になってるのかと思って心配して声掛けると彼は「俺は何か自分が作ったものが大勢に認められた事がないから認めてもらいたい」と答えてきた。普通にくらった、初めてザクラッシュを聞いたみたいな感覚だった。今回は作っていたネタに少し違和感があったのはそういうことだったのかと合点がいった。認めてさせてやらなければ寝覚めが悪くなりそう、でも叶えたい夢の先は長そう、諦めがつかない俺もお前も。いくところまでいって見る栄光。そもそも俺らはだめで元々なのかも。